営業改革事例

Case002:株式会社リコー 販売事業本部 NetRICOH販売事業部 ダイレクトマーケティングセンター

~リコーならではのハイブリッドな営業展開~...

主人公は株式会社リコー 販売事業本部 NetRICOH販売事業部 ダイレクトマーケティングセンター所長 矢内俊彦 様。
先陣を切って複写機のデジタル化を進め、現在はお客様の経営課題・業務課題を解決するソリューション提供で業界をリードし続ける株式会社リコー。
従来の営業活動における課題を解決した同社ダイレクトマーケティングセンターのセンター長を務める矢内様にその取り組みについてお伺いしました。

 

――まずはダイレクトマーケティングセンター(※以下DMCと表記)稼動以前に遡ってお伺いします。社内外含めてどんな背景があったのでしょうか。

Case002_1.jpg当時、お客様の購買方法の変化が著しくありました。訪問営業に加え、ネットを使った非対面販売の割合が増していた時期でしたね。また、本社における一括/集中購買がより一層進んだことや、より低価格志向が強まった時期でもありました。
自社事情でいうと、お客様のニーズが多様化する中で訪問営業の負荷は増える一方、価格競争の煽りも受け、そもそも訪問営業をしていては採算の取れない製品群も必然的に多くなったことが背景としてあります。従来の訪問営業の積み上げ方式では、成り立たたないケースが出てきたわけです。
さらに、競合他社もネット販売を含めた非対面チャネルへシフトする動きが見られました。

 

 

――営業改革にはいろいろな方法があるかと思いますが、なぜ、DMCの構想だったのでしょうか。
そんな状況の変化に置かれると当然、訪問営業以外の販売方法を考えるようになりますよね。コストをかけずにセールスを補完するもの、ネット販売をより促進するもの、という意味合いでアウトバンドセンターの必要性が出てきたわけです。
それと、お客様のセキュリティが厳しくなってきたことも加えておきます。直接、目的の方にお会いするのも困難になってきていたという事情もありました。

 

――リソース面ではどうだったのでしょうか。DMC稼動前、訪問営業の要員は足りていたのでしょうか。
確かに、リソース的な課題もありましたね。全体的にみて取引量の少ない大企業のお客様へはなかなか訪問営業ができないというのが現状でした。理由も明確で、製品・ノウハウ的な問題と、弊社の取引の大部分を占めている、割と小規模なお客様への定期的な訪問活動で目一杯リソースを費やしていたという2点が挙げられます。限られた訪問営業リソースを質と量の面でパフォーマンスアップさせるためにも、アウトバンドセンターを取り入れた体制でカバーリングしようという動きになりました。

 

――このDMCの体制を築くのに何年ぐらいかけたのでしょうか。
内部的には2003年から動いていましたが、正式にDMCが出来たのは2005年4月です。

 

――準備期間2年程での正式スタートだったわけですね。当初、営業体制の変更に伴う社内の反発的な意見等はなかったのでしょうか。

Case002_2.jpgどの会社でも新しい営業システムを使う際に出てくるような、セールスマンが「システムに入力する」という作業への抵抗は若干あったかと思います。ですが、それ以上にリコー独自のCRMシステムの機能面においてのメリットが各々目に見えて認識できていたことが幸いして、このリコー独自のCRMシステム導入に対する抵抗はなかったと思います。というのも、もともとこのシステムがスタートする前から、セールス部門では独自のSFAツールを使っていたという歴史があったからこそ、スムーズに浸透したと感じています。

 

――このリコー独自のCRMシステムのメリットとは何でしょうか。
そうですね。このシステムは、セールスマンが、簡単に、DMCスタッフが対応している電話内容やコンタクト履歴から、お客様の元でサービスマンが対応した修理履歴まで確認できるようになっています。つまり、セールスマンはこのCRMシステムを見れば、そのお客様に裏で対応しているすべての情報を把握できるわけです。

 

――販売部門、DMC、サービス部門との連携ですね。NetRICOHシステムとの連携としては、どのような関わりを持たせているのでしょうか。
販売部門・DMC・サービス部門の活動履歴の前提として、NetRICOH経由でのお客様の購買履歴があり、弊社製品の稼働状況はリモートで把握できるようになっています。メンテナンスや使用状況を含めた稼動状況を、DMC側でも一元管理しています。
ですから、例えば購買履歴から次のニーズを想定して「そろそろペーパーやトナーが切れていませんか?」と問い掛けてみたり、カラーコピーの使用状況から「数ヶ月前に比べて、カラーコピーのA3サイズが多いですね。最近ビジネス形態が変わったのですか?」と話題を持ちかけることが可能です。

 

――すでにスタッフにシステム利用が浸透し、DMCが正式スタートしてから3年半経過している今、成果としてどんな手応えを感じていますか。
現在3本のサービスメニューを展開していますが、それぞれに手応えを感じています。
まずは「新規顧客開拓支援」においては、多数の新規開拓モデルを実践、経過観察をしてきて、成果が出るケースがわかってきたということです。未取引のお客様へのドアオープナーとしての役割を担い、継続的な電話でのリレーション構築が必要となりますので、若干時間はかかりますが、成果に対する評価も高いものになってきました。また、大手企業のお客様との新規取引も確実に増えてきています。

Case002_6.jpg二つめは「既存顧客の離反防止・効率販売支援」、これは、既存のお客様の離反防止に向けて定期的なコンタクト活動を実施するものです。セールスマンが行かずとも定期的に電話でのコンタクトをすることで、どれだけお客様を守れたか、他社乗換防止に繋がったかを見ています。定期的な電話をする、という行為が格段の離反防止に繋がっていることが、数値として把握できてきたということがここでの手応えです。
最後に「マーケティングリサーチ」、俗に言うテレマの施策になります。依頼元からのテーマによって決められた目標数値があり、それぞれに結果を出していることが成果ですね。

 

――依頼元というのは、社内の別部門からもあるのでしょうか。
もちろん社内もありますし、弊社各地域の販売会社からもあります。所属部門のNetRICOH既存会員の維持、新規会員獲得、休眠会員の活性化のためのコンタクトから、大手企業担当部門の大量発注に伴う納品後の使用状況確認まで、内容は多岐に渡っています。社内といえども、経費振替もきっちりとしています(笑)。


――システム面の浸透と運用面での手応え、すでに安定稼動の段階にあるようですが、DMCスタッフの育成、スキルの維持はどのようにしているのでしょうか。
システムに関しては、ほとんど安定稼動しています。重要なのはやはり人材の育成ですね。教育担当スタッフを専任で置いて、新人教育から定期的なスキルチェックを行っていますが、どうやって各個人にあった教育カリキュラムを作っていくかが、今後の課題になります。世の中も製品もどんどん変わっていきますから、マニュアルを作っても、作った途端にもう古くなってしまいますよね。ほんとうに追いかけっこです。

 

――スタッフのモチベーションを上げるため各社さまざまな工夫をされていますが、御社ではいかがですか。
半期に一回ですが、所属部門長の推薦のもと、優秀なDMCスタッフに対して表彰式を行っています。社員食堂で行うほんとうにささやかな立食パーティではありますが・・・。

 

――スタッフへの配慮も忘れない、完璧なまでに統制されているDMCですが、今後の方向性としてはどのような展開をお考えでしょうか。
今DMCは首都圏にありますが、この機能・ノウハウを各地域に展開していくことを考えています。
業種・地域を問わず、起業したばかりで営業のいない、社長の手足となる優秀な営業がいない、集中購買で販売したのはいいが遠隔地へのフォローがまったくできていない割と小規模の会社を対象とした外販も視野に入れて、地域展開は必要だと考えています。
合わせて、首都圏集中のソフトやハードメーカーに対しても、その販売促進と保守契約更新のお手伝いも視野に入れています。

そして、やはり最終的には、コストセンターからプロフィットセンターへの転換ですね。


――新しいサービスへの展望を明確にお話してくださった矢内様率いるダイレクトマーケティングセンター。その確固たる業績に魅せられると同時に、同じ営業プロセス改革を担う者として、そのお話にすっかり入り込んでしまいました。
今回インタビューに快く協力してくださった株式会社リコー 販売事業本部/NetRICOH販売事業部/ダイレクトマーケティングセンター所長 矢内俊彦 様に心からの感謝の意を表します。有難うございました。

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